乳幼児の熱性けいれん(ひきつけ)どうする?

赤ちゃん

小さな子どもが突然高い熱を出し、目の前でガクガクと震え出したら、どんな親でもパニックになってしまうものです。これは「熱性けいれん」と呼ばれるもので、乳幼児期には決して珍しい病気ではありません。

いざというときに冷静に対応できるよう、熱性けいれんがどのようなものか、そしてそのとき親はどう動けばよいのかを、わかりやすく解説します。なお、本記事は勤務先の小児科医監修で執筆しています。


1. 熱性けいれんとは?(原因と特徴)

熱性けいれんとは、主に6ヶ月から5歳くらいまでの乳幼児が、38度以上の急激な発熱に伴って起こすけいれん(ひきつけ)のことです。

ねこママ
ねこママ

熱性けいれんと言っても、弛緩性、強直性、間代性などいろいろな種類があります。詳しくは後ほど解説しますね。

なぜ起こるのか?

子どもの脳はまだ発育の途中段階にあり、非常にデリケートです。そのため、急激な体温の上昇に脳の神経細胞が耐えきれず、一時的に「ショート」を起こしてしまうことが原因と考えられています。

どのくらいの頻度で起こる?

日本の乳幼児の約7〜10%(およそ10人に1人)が経験すると言われており、非常に身近な症状です。一度きりで終わる子が大部分ですが、全体の約3割の子どもは2回以上経験します。大変多くの子供が通る道です。それ以外の理由はありません。


2. 目の前で起きたときのチェックポイント

けいれんが始まると、子どもは次のような状態になります。まずは落ち着いて、子どもの様子を観察してください。

  • 意識がない(呼びかけに反応しない、視線が合わない)
  • 白目をむく、または目がどこか一箇所を凝視したまま固定される
  • 体が硬直する(手足を突っ張らせる、弓なりになる)
  • 手足がガクガクと規則的に震える
  • 顔色や唇の色が悪くなる(チアノーゼ)

  初めて我が子が目前でそうなったらパニックになることが多いですが、落ち着きましょう!


3. けいれんが起きたときの「正しい対処法」

子どもがけいれんを起こしたとき、親がすべきことは「安全の確保」「観察」です。

◯ すべきこと(正しいケア)

  1. 平らな安全な場所に寝かせるベッドからの転落や、周囲の家具にぶつかるのを防ぐため、床などの安全な場所に寝かせます。
  2. 体を横向き(側臥位)にする吐いたものがのどに詰まって窒息するのを防ぐため、体や顔を横向きにします。
  3. 衣服を緩める首まわりのボタンやリボンを外し、呼吸がしやすいようにします。
  4. 時間を計り、様子を観察するけいれんが「何分間続いているか」は、その後の診断で最も重要な情報になります。スマホの動画で撮影するのも、医師に状況を正確に伝えるための非常に有効な手段です。
ねこママ
ねこママ

スマホが無い時は時計を見てメモをとります。メモがない?自分の手の甲にでも書いてくださいね。

✕ 絶対にやってはいけないこと(NG行動)

  • 大声で揺さぶったり、叩いたりする:脳への刺激になり、けいれんが長引く原因になります。
  • 口の中に指やタオルを入れる「舌を噛まないように」と良かれと思って物を入れがちですが、これは間違いです。子どもの窒息の原因になったり、親の指が強く噛まれて大怪我をしたりします。熱性けいれんで舌を噛み切ることはまずありません。
  • 飲み物や薬を飲ませようとする意識がない状態で何かを口に入れると、気管に入ってしまい大変危険です。
ねこママ
ねこママ

祖母が昔、私がひきつけを起こしたら、ガーゼを巻いたスプーンを口にいれていたけど、今となっては懐かしい笑い話です。歯を食いしばってるのだから、舌の噛みようがありませんよね?


4. 救急車を呼ぶべき?病院へ行くタイミング

熱性けいれんの多くは「2〜3分以内」、長くても5分以内には自然に止まります。落ち着いた後はそのまま眠ってしまうことが多いです。

迷わず救急車(119番)を呼ぶべき目安

  • けいれんが5分以上続いている
  • 一度止まったのに、すぐにまたけいれんが始まった(繰り返す)
  • 手足の震えが左右非対称である(右の手だけが震えるなど)
  • けいれんが止まった後も、10分以上意識が戻らない(呼びかけに全く応じない)

けいれんが止まったら(通常の受診)

けいれんが数分で止まり、子どもの意識がしっかり戻って顔色も良くなれば、ひとまずは安心です。ただし、それが本当に熱性けいれんなのか、あるいは別の脳の病気(髄膜炎や脳炎など)ではないかを確認するため、当日中に小児科を受診してください。自家用車やタクシーで落ち着いて向かいましょう。


5. よくある疑問と不安へのQ&A

Q. 将来、てんかんや脳の後遺症になりますか?

A. 基本的には心配ありません。

一般的な熱性けいれんは、脳にダメージを与えないため、知能の発達や運動機能に影響を残すことはありません。また、「てんかん」という別の病気へ移行することも基本的にはまれです。小学校に入学する(6歳を過ぎる)頃には、脳が成熟するため自然と起こらなくなります。

ねこママ
ねこママ

癲癇(てんかん)と熱性けいれんは別物です。また仮に癲癇であっても発症から6月以内なら脳波計で波形確認できますし、それで確定診断します。

Q. 解熱剤(座薬など)は使ってもいいですか?

A. けいれんしている最中に解熱剤を使ってはいけません。

また、熱の上がり始めに慌てて解熱剤を使っても、熱性けいれんを予防する効果はないとされています。まずはけいれんが落ち着くのを待ち、医師の指示を仰いでから使用してください。過去に何度も熱性けいれんを繰り返している子の場合は、病院から「ダイアップ」という特別なけいれん予防の座薬が処方されることがあります。

ねこママ
ねこママ

こども(特に赤ちゃん)は貴女が不安なら受診するというスタンスで良いです。小児科医でそれを叱る人はいません。


まとめ:親の「落ち着き」が一番の薬

我が子のけいれんを目の前にして、パニックにならない親はいません。しかし、熱性けいれんのほとんどは、数分間で自然に治まる良性のものです。

万が一のときは、「横を向かせて、時間を計る」「口には何も入れない」というこの2点だけでも頭の片隅に置いておいてください。親御さんが深呼吸をして冷静に対応することが、子どもを二次的な危険から守る一番の鍵となります。

最後に弛緩性、強直性、間代性の解説

弛緩性:手足の筋肉から力が抜け、ダラーッとしてぐったりする状態。このとき意識だけがなくなることもあります。椅子に座ったままだと、転落の恐れもあるので貴女の全身で抱きかかえて床に静かに仰向け又は横向きに寝かせてあげてください。

強直性:全身や手足が急にこわばり、硬くなって突っ張る状態。

間代性:筋肉の収縮と弛緩(緩むこと)を短い間隔でリズミカルに繰り返し、手足をピクピクさせる状態。

ねこママ
ねこママ

ウチの息子は弛緩性でした。6才の時にインフルエンザになり、テーブルで食事中に急にガクッと肉を噛んだまま首を後ろ倒したので、最初は「また、ふざけて」と思ったら、熱性けいれんでした。慌てて、口を開けて肉をつまみだし、口に何もないのを確認してから、全身で受け止めるようにして抱きかかえて床に寝かせて時間を計りました。痙攣時間は1分20秒でした。その後は離れることなく側で様子を見ていて、起きたらゆっくりと常温水を飲ませて、小児科を受診しました。結果はやはり熱性けいれんでした(ホッ)

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