目安と見守り方
赤ちゃんが少しずつ体を起こし、自分で座れるようになると、「成長したな」と感じる方も多いでしょう。一方で、「うちの子はまだ座らないけれど大丈夫?」「ほかの赤ちゃんより遅いのでは?」と心配になることもあります。
赤ちゃんの発達には個人差があり、お座りを始める時期にも幅があります。大切なのは、「何か月になったら必ずできる」という一つの基準だけで判断しないことです。ここでは、赤ちゃんのお座りが始まる時期や、遅いと感じたときの目安、家庭でできる見守り方について解説します。

あかちゃんは個人差が大きいのよ。
赤ちゃんのお座りはいつから?
赤ちゃんのお座りは、一般的に生後6~8か月ごろから少しずつ安定してくるとされています。
厚生労働省の資料では、7か月ごろから一人で座れるようになり、座った姿勢で両手を自由に使えるようになるとされています。(厚生労働省) また、9~10か月児健診についての厚生労働省の実践ガイドでも、この時期には座位が安定し、座ったまま長時間遊ぶようになると説明されています。(厚生労働省)
ただし、これはあくまで発達の目安です。生後6か月ごろにはまだ手を床について体を支えながら座る段階の赤ちゃんもいれば、8~9か月ごろになってから安定して座れるようになる赤ちゃんもいます。
米国CDCの発達目安でも、6か月では「支えなしで座り始める」、9か月では「支えなしで座る」が運動発達の目安とされています。(CDC)
つまり、「6か月になったのに一人で座れない=発達が遅れている」とは限りません。
「お座りができた」とはどんな状態?
お座りは、単に座った姿勢を作ってあげられることとは少し違います。
最初は、赤ちゃんを座らせても手を床についたり、前に倒れたり、左右にぐらついたりします。そこから徐々に背中やお腹、腰などの筋肉が発達し、両手を床から離して遊べるようになります。
さらに発達すると、自分で寝返りや腹ばいなどの姿勢から座位へ移ることもできるようになります。
そのため、お座りの発達は一気に完成するものではなく、
- 支えてもらいながら座る
- 手を床について座る
- 短時間なら一人で座れる
- 手を離して安定して座る
- 自分で座る姿勢になる
というように、段階を踏んで進んでいくと考えると分かりやすいでしょう。
お座りが遅いとき、何か月を目安にする?
「何か月までに座れなければ異常」と明確に線引きすることはできません。赤ちゃんの発達には大きな個人差があるためです。
特に、生後6~8か月ごろは発達途中であることが多く、まだ安定して座れなくても珍しくありません。
一方、9~10か月ごろになってもお座りがかなり不安定であったり、運動発達全体について気になる点があったりする場合は、乳幼児健診などで相談してみると安心です。
厚生労働省の9~10か月児健診の資料でも、この時期は発達の個人差が大きく、座ったまま移動する「シャフリングベビー」のように、はいはいなどをしない子もいるとされています。微細運動や精神発達などに問題がない場合には、特に心配がいらないことも多い一方、健診などで確認することが重要とされています。(厚生労働省)
お座りだけで判断しないことが大切
赤ちゃんの発達を見るときは、「座れるか」だけではなく、ほかの動きも合わせて見ます。
たとえば、
- 首がしっかりすわっているか
- 寝返りをするか
- 腹ばいで頭や胸を持ち上げられるか
- 手を伸ばしておもちゃを取ろうとするか
- 左右の手足を動かしているか
- 体が極端に柔らかすぎたり、硬すぎたりしないか
- 少しずつでも運動面の発達が進んでいるか
などです。
一つの項目だけが遅れているからといって、すぐに病気や発達の遅れを意味するわけではありません。反対に、お座り以外の運動発達についても気になることがある場合は、小児科や乳幼児健診で相談するとよいでしょう。

何でもそうだけど、一つの要素だけで判断しちゃダメなのよ。
お座りが遅いときに相談したいサイン
次のような様子がある場合は、月齢だけで判断せず、医師や保健師などに相談しましょう。
- 生後9~10か月ごろになっても、お座りがほとんど安定しない
- 首のすわりなど、より前の発達段階にも気になる点がある
- 寝返りや腹ばいなど、ほかの運動発達も進んでいない
- 体が極端に柔らかく感じる、または強く突っ張る
- 左右で手足の動かし方に明らかな違いがある
- できていた動きができなくなった
- 運動だけでなく、視線や音への反応などにも気になることがある
特に、一度できるようになった動作ができなくなった場合は、月齢にかかわらず早めに相談することが大切です。
お座りの練習は必要?
赤ちゃんのお座りは、基本的には成長の中で自然に身についていきます。そのため、「早く座らせなければ」と無理に練習させる必要はありません。
むしろ、赤ちゃん自身が体を動かして姿勢を変えたり、手を伸ばしておもちゃを取ったりする経験が、運動発達につながります。
日本小児科学会の学会誌に掲載された研究でも、乳児期の腹ばい遊びが、座位姿勢やはいはい、つかまり立ち、歩行などの運動発達と関連することが報告されています。(公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY)
家庭では、赤ちゃんが機嫌よく起きている時間に、安全を確保したうえで床の上を自由に動ける環境を作ってあげるとよいでしょう。手の届きそうなところにおもちゃを置き、寝返りや腹ばいなどを促す遊びも一つの方法です。
ただし、赤ちゃんをうつぶせにする遊びは、必ず起きている状態で大人が見守りながら行うことが大切です。眠ってしまった場合には、安全な睡眠環境に戻しましょう。
お座りができるようになったら安全対策も
お座りができるようになると、赤ちゃんの目線が高くなり、これまで届かなかったものにも手が届くようになります。
そのため、お座りの練習だけでなく、事故予防も意識しましょう。
- ソファやベッドなど、高い場所に赤ちゃんを一人で置かない
- 転倒して頭をぶつけないよう、周囲の硬い家具を確認する
- 小さな物や誤飲しやすい物を手の届かない場所に置く
- テーブルクロスやコードなど、引っ張る可能性がある物を片付ける
- 赤ちゃんを座らせたまま、その場を離れない
お座りが安定するまでは、突然バランスを崩して倒れることがあります。「もう座れるから大丈夫」と考えず、安全な環境を整えておくことが重要です。

お座りができるようになったら、すぐにはいはいとかつかまり歩きをし出すからソッチの方が心配よ。
まとめ:お座りの時期は「何か月」だけで判断しない
赤ちゃんのお座りは、生後6~8か月ごろから始まり、徐々に安定していくのが一般的です。ただし、発達には個人差があるため、6か月や7か月の時点で一人で座れなくても、それだけで問題があるとはいえません。
特に大切なのは、月齢だけを見るのではなく、首すわり、寝返り、腹ばい、手足の動きなどを含めて、少しずつ発達が進んでいるかを見ることです。
「うちの子だけ遅いのでは?」と感じたら、次のポイントを意識しましょう。
- お座りは生後6~8か月ごろから徐々に安定する
- 6~7か月でまだ一人で座れなくても、珍しいことではない
- 9~10か月ごろになってもお座りがかなり不安定なら、健診などで相談する
- お座りだけでなく、首すわり・寝返り・腹ばいなども一緒に見る
- 体が極端に柔らかい、強く突っ張る、左右差があるなどの場合は相談する
- できていた動作ができなくなった場合は、早めに医療機関へ相談する
- 無理に座らせるより、安全な環境で自由に体を動かす機会を作る
発達のスピードは赤ちゃん一人ひとり違います。周囲の赤ちゃんと比べて焦るよりも、「先月よりできることが増えているか」という視点で見守ることが大切です。不安がある場合は、自治体の乳幼児健診や保健師、小児科などに相談しましょう。
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